2026年7月17日(金)より、ついに始まりました!
映画『キングダム 魂の決戦』――。
シリーズ最高興行収入の約80億3000万円を記録した前作『キングダム 大将軍の帰還』から2年――新作を待っていたという人は多いのではないでしょうか?
かくいう私もその1人……。絶対観に行くぞと心に決めていざチケット確保に動こうとしたところ、映画公開直後の上映会に参加できることになり、ルンルンで鑑賞してきました。

といわけで、感想を語っていきたいと思います。
映画公開直後ということでストーリーのネタバレは控えますが、多少は内容に触れることになるので、全く情報を入れずに観に行きたい方はご注意を!

『キングダム 魂の決戦』キャスト・あらすじ

スタッフ・キャスト・基本情報

監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉・原泰久
原作:原泰久『キングダム』(漫画)
主題歌:米津玄師「夜鷹」

出演者:信:山﨑賢人、嬴政:吉沢亮、河了貂:橋本環奈、羌瘣:清野菜名、壁:満島真之介、尾平:岡山天音、蒙恬:志尊淳、王賁:神尾楓珠、項翼:結木滉星、媧燐:三吉彩花、白麗:三山凌輝、陽:山下美月、向:蒔田彩珠、万極:山田裕貴、桓騎:坂口憲二、麃公:豊川悦司、昌文君:髙嶋政宏、騰:要潤、肆氏:加藤雅也、干央:高橋光臣、蒙武:平山祐介、臨武君:一ノ瀬ワタル、カイネ:佐久間由衣、汗明:勝矢、成恢:渋谷謙人、オルド:宍戸開、蒙驁:坂東彌十郎、張唐:橋本さとし、蔡沢:笹野高史、王翦:谷田歩、慶舎:中村蒼、呉鳳明:田中圭、春申君:斎藤工、昌平君:玉木宏、呂不韋:佐藤浩市、李牧:小栗旬

公開日:2026年7月17日 上映時間:134分

『キングダム 魂の決戦』のあらすじ

秦国の大将軍・王騎を馬陽の戦いで失って3年――。信(山﨑賢人)は千人将に昇格し、同じ若き将である蒙恬(志尊淳)や王賁(神尾楓珠)と切磋琢磨しながら天下の大将軍への道を歩んでいた。
そんな中、秦国に急報が。趙の宰相・李牧(小栗旬)の策略により、秦以外の国々が手を組んで総数50万からなる”合従軍”を結成。各国が次々と秦へと侵攻を始める。
国家滅亡の危機を前に、秦は各地に散っていた名だたる将軍たちを集結させ、国を守るために20万の軍勢を使って迎え撃つ覚悟を決める。
決戦の地は、秦の国門・函谷関。信も秦国の将の1人として、函谷関での熾烈な戦いに身を投じることになる。

映画『キングダム 魂の決戦』感想

続編のための序章

物語の始まりは、前作『大将軍の帰還』のおさらいから。
王騎将軍(大沢たかお)がどのように斃れ、彼の死が秦国にとってどれだけ大きく、またどれだけ信の成長に影響を与えたかが描かれました。

で、時は流れ――今回描かれたのは、原作の中でも特に人気が高く、またスケールが大きな「合従軍編」!イケイケドンドンだった秦に危機感を抱いた李牧(小栗旬)が中華の秦国以外の国をまとめ、ひとまず皆で一番危ない秦を倒そうぜ、という話です。

この話はとにかく登場人物が多い!
秦国を含めた中華七雄――つまりは7カ国のキャラがでるわけですからね。
信たち主要キャラと、秦の将軍たち。他国の将たちがボロボロ出てきて、「この人はどの国の人?」状態です。中国人名でただでさえキャラ名が頭に入りにくいのに、本当勘弁して!ってレベル。

本作は続編ありきで制作されており、今回はまず「秦を倒すために他国が手を組んで攻めてきたよ、秦はこんなメンバーで迎え撃つよ、んで敵メンバーはこいつらだ!」というスタイルです。
そのため、戦いが始まるまでが結構長い……。
息もつかせぬ激しいアクションが見たい!という人にはちょっと退屈なところがあるかもしれませんが、おそらく3部作くらいの第1部――つまりは盛り上がるための下準備なので、「まぁプロローグだしな」くらいの感じで観るのがいいかもしれません。

最初のクライマックス――万極との戦いによる信の成長

第1作『キングダム』では、幼なじみの死をきっかけに王・嬴政と出会い、「天下の大将軍」になるという夢に向かって踏み出した信。

第2作『キングダム2 遥かなる大地へ』では初めて戦場に出て、戦場がいかに過酷な場所であるかを知り、さらに千人将・縛虎申(渋川清彦)から「勇猛と無謀の違い」を、大将軍・王騎の言葉や麃公の戦う姿から将軍とは何かを学びます。

第3作『キングダム 運命の炎』では、百人将として仲間を率いて戦い、将としての成長を見せました。王騎から隊に「飛信隊」という名前を与えられ、隊の一切を背負う責任感も芽生えています。

第4作『キングダム 大将軍の帰還』では、死にゆく王騎から彼の矛とともにその志を継承。王騎や昔馴染の死を乗り越え、彼らのためにも前に進み続ける覚悟を決めました。

そして今回、第5作目である『キングダム 魂の決戦』で信は、万極(山田裕貴)を通して「戦争の本当の恐ろしさ」を学びます。

万極は、かつて秦に家族共々生き埋めにされ、1人だけ生き残ったという悲惨な過去を持つ人物。その恨みは深く苛烈で、秦国民はとにかく皆殺しにするという勢いです。そんな万極の戦いで、自分たちがしている「戦争」の悲惨さを知る信――。昔は何も考えず無邪気に「大将軍になりたい」と夢見ていた信が、悲惨な戦争を動かす「将軍」の闇に部分に触れ、それでも自分は過去の過ちを繰り返さないと決意し、より現実的に大将軍を目指すようになりました。
結局、どんな綺麗事を言っても将軍になる以上、人を殺すんじゃん……という考えが頭をよぎらなくもないんですが……成長は成長。
物語において、主人公の価値観・考え方の変化は間違いなく作品の核の1つです。そういった意味で、信と万極のシーンは見応えがありました。

作品のクオリティーを引き上げたMVP俳優

実写映画『キングダム』シリーズを大ヒット作にまで押し上げたのは、監督たち制作陣の原作愛と、俳優陣のキャラクター再現度の高さのおかげだと思っています。
特に、大沢たかおさん演じる王騎将軍。原作の王騎と比べると、ビジュアルが瓜二つというわけではない。でも彼は間違いなく王騎だった。あんなにナチュラルに「ココココ」なんて笑い声ぶっ込める俳優なんて、大沢たかおさんしかいません。
大沢たかおさんの王騎が、実写『キングダム』のクオリティーを一段も二段も上げていました。

さて、本作では大沢たかおさんがいないので、誰が作品をクオリティーを上げるのか……。
豪華キャストが集結してるし、皆で作品を持ち上げていくスタイルなのかな……と思っていたら、それはまぁそうなんですが、飛び抜けて実写『キングダム』の魅力を支えている俳優がいました!

個人的に「本物じゃん!」「演技上手い!」「めちゃくちゃ好き!」と思ったのは以下の人たち。

万極役:山田裕貴

本作のクライマックスを担うキャラを演じた人。文句なしのMVP。
前作で登場した時から「似すぎだろ」と思っていたけど、甘かった。ご本人様だった。
漫画の実写化ではなるべくキャラに寄せられる人、その空気感を表現できる人を連れてきてくれと常日頃思っているが……誰が本物を連れて来いと言った。間違いなく地獄の底から呼んできただろ……ってレベル。
圧倒的だったのが「目」の演技です。血走ってて、虚ろで、覗き込むと地獄に引き込まれそうな、そんな目。強い恨みを抱いた人間って、本当にこんな目してるんだろうな……って目でした。ガンギマリ過ぎている。
信との戦闘シーンでは、「あー、これ本気で人を殺そうと思ってる。それもできる限り苦しめて殺したいと思ってる」と感じる剣の振り方していて、解釈一致にも程がありました。
そして最後のあるシーンなんですけど、こう目からフッと生気が消えるんですよ。役者さんって、誰でも目から生気消せるんですかね。いや、無理だよね。でも吉沢亮さんは狙って片目から涙を流すって離れ業やってのけてたから、できる人はできるのかも……。

蒙恬役:志尊淳

良いところの坊っちゃん感と、戦場での勇ましさのギャップが完璧。
戦場での掛け声は、アニメの蒙恬に寄せてくれてる感じでした。
本作ではまだ出番が少なかったので、今後の活躍に期待。
もっと蒙恬してくれると信じてる。

蔡沢:笹野高史

飄々とした、底しれない雰囲気を纏った老人――。蔡沢でした、間違いなく。
だからこそ、原作ではもっとあった出番がばっさりカットされていた点が悔やまれます。
交渉シーンをちゃんと見たかった。でも、それをやると斉王というクセの強すぎるキャラのキャスティングが必要になるし、尺的にも……というのもわかります。

騰:要潤

王騎同様、ビジュアル的にそっくりというわけではないのですが、なんか好きなんですよね、要潤さんの騰。また「ファルファル」が見れて嬉しかったです。

桓騎:坂口憲二

キャストが発表される前、「桓騎は北村一輝じゃないか」みたいな声が上がっていまして……私も「確かに顔は北村一輝さんが合ってるなー」なんて思ってました。
実際キャスティングされたのは坂口憲二さん……どんな感じになるんだろうと思いつついざ見てみたら……いや、いいな!
気だるさ、色気、人を小馬鹿にした態度。なかなかに桓騎だったんじゃないでしょうか。
桓騎は続編で出番がめちゃくちゃあるはずなので、楽しみです。

まとめ

というわけで、ざっくりですが映画『キングダム 魂の決戦』の感想でした!
1本の映画として観ると物足りない部分もあるかもしれませんが、今後の話とセットになったシリーズの中の1本として考えると、かなり良い作品だったのではないかと思います。
続編の完成度によって、また評価が変わってきそうですね……。
まだまだ邦画も捨てたもんじゃないと思わせてくれる最大スケールの作品なので、興味を持った人はぜひシリーズをチェックしてみてください!

参考

映画『キングダム 魂の決戦』公式サイト
https://kingdom-the-movie.jp/
映画『キングダム 魂の決戦』公式アカウント
https://x.com/kingdomthemovie